瞼の戦場(1940年)

井上・月丘映画財団

スタッフ・キャスト

製作 : 内村祿哉
監督 : 清瀬英次郎
脚本 : 京都伸夫 豊田実
原作 : 柴田徹士
撮影 : 北義雄
音楽 : 津久井祐喜
美術 : 岡本保
録音 : 川西弌
照明 : 坂口菊太郎
出演 :
山鳩くるみ
月丘夢路
若本一郎
二条宮子

製作

宝塚映画

作品紹介

大都市の郊外にある街、そこに中山食料品店があった。中山民子は夫の中山彌吉が徴兵された後に息子の武雄を抱えて、姑のヨシと義妹の道子と共に食料品店を守っていた。民子は早く両親を失い肉親と言えば、徴兵されて中国南部に送り込まれている兄の信勝唯一人であった。信勝は会社員だったが絵の才能に恵まれていた。或る日、信勝が戦傷に因って傷痍軍人となり、戦地から内地の陸軍病院に還送されてきた。民子は信勝を慰める為に絵の道具一式を用意して病院を訪れたが、信勝は戦傷が元で失明していた。民子が兄を思い遣って持ってきた折角の絵の道具箱も却って信勝の気持ちを暗くしてしまい、「耳の不自由な音楽家はいるが、目の不自由な画家はいた試しが無い。」と言って空虚に笑うあった。民子はヨシと共に何とかして信勝に明るい希望と未来を与えてやりたいと念じた。ヨシの好意ある取り計らいで信勝は山中家の一員に加わる事になった。視聴覚障害となった信勝は皆の懸命な介護と温かい情で生きる気力を取り戻していったが、民子が汗と埃に塗れながら健気に食料品店を切り盛りしているのを知るだけでも、自分も何とかして一刻も早く手に職を付けたいと願った。或る日のこと、信勝はヨシに連れられて仏教会館に説教を危機に行ったが、隣の会社から聞こえてくるタイプライターの音が耳に付いて離れなかった。最初の目的だった説教は耳に入らなかった。速記の仮名文字タイプライターで生計を立てようと決意してタイピスト養成所の門を叩く。そして、養成所所長と共に親身になって信勝にタイピングの指導をした助手の女性と心の交流が始まる。

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