野球狂時代(1948年)

                    

スタッフ・キャスト

監督:斎藤寅次郎
脚本:八住利雄
原作:サトウハチロー
撮影:安本淳
出演
杉狂児
月丘夢路
広沢虎造
花菱アチャコ
森川信

製作

東横

作品紹介

日本に野球が到来したころ、六さんの父は名選手として鳴らしたもので「野球のフェアプレイの精神こそ、将来の日本を救うものである」と遺言して死んだ。その子の六さんも大の野球狂で、女房に美容院を開かせて、自分は近所の床屋、表具屋、食堂のおやじ、奇術師などという連中と、降っても照ってもキャッチボールをやっているが、そのくせいたって下手くそという不しょうの子である。六さんには五年生になる男の子があってこれは長屋の少年野球団の名投手である。せがれに対する六さんの期待は甚大である。六さんがあまり野球にこって失敗が続くので、ついにお内義さんは野球をのろい、ついに六さんに外に出て働くように要求する。二、三日就職に歩いた六さんは、ある日職業野球団の選手となり、急映軍の大下というのが自分であると報告する。お内義さんも得意で客たちと連れ立って後楽園に急映、南海戦を見物に行く。ところが六さんは場内の雑役夫として働いているので、赤恥をかくが、父の遺言を守って、かくまで野球にうちこむ六さんの真情にホロリとする。そのうち息子の少年チームが近くの屋敷町の少年チームと試合をすることになり、長屋の親たちはこぞって応援に出かける。ところがアンパイヤが、六さんの美容院へ来てお内義さんとケンカしたことがある屋敷町のマダムの家の書生なのですっかり買収されて、勝つべき試合を負けてしまう。あとでこれを知った六さんは大いに怒り、たちまち長屋中を動員して、美人床屋の娘もお内義もメンバーに加わり対屋敷町の親同志の珍野球試合が始まる。六さん夫婦のバッテリーのファインプレイで遂に堂々の勝利をおさめる。その夜六さん夫婦は息子が大下二世

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