乙女の性典(1950年)

                   

スタッフ・キャスト

製作:石田清吉
監督:大庭秀雄
脚本:猪俣勝人
原作:小糸のぶ
撮影:竹野治夫
音楽:伊福部昭
出演
佐田啓二
月丘夢路
飯野公子
桂木洋子
青山宏

製作

松竹京都

作品紹介

放送討論会の会場で、性道徳の退廃を発言して、嘲罵された青年立花哲也の顔が何となく印象に残った婦人警官の岩下友江は、担当補導中の不良女学生、石原三枝子のことで、受持教師を訪問して、そこで偶然にも哲也と再会した。哲也は三枝子が単なる欠席をしているものと気にもとめていなかったが、友江の話によるとすでに妊娠までしているというのだった。その問題はついに職員会議にまで波及して、結果は哲也と友江の意見に反して、多数決で退校処分と決まってしまったのである。哲也の下宿する恩師の家には、かつて相愛の仲であった娘の千津子がいたが、哲也が復員してきたときは制服姿の清純さも消え、放埒な有閑令嬢と変わっていた。哲也が、そういう千津子から遠ざかろうとすればするほど、千津子は哲也の身辺から離れなかった。あるクリスマスの晩、千津子は、家出中の三枝子を家に連れ込んで当分面倒をみると言い出した。明らかに哲也に対する嫌がらせだった。千津子に言わせれば、三枝子の犯した罪は、わずかの些細な間違いから起こったことだというのだ。すべてこれらの青年子女の過失は、性教育の不備からくるものと結論した哲也と、友江は、二人で性教育協会を訪問して福本博士の指導を得て、学校にも性道徳の教育をしようと努力するのだった。ある日、千津子が三枝子をつけて産婆に子供をおろさせようとしたのを聞き、駆けつけた哲也と友江は危うく、一歩寸前で三枝子を救うことが出来た。ふてくされたように三枝子は友江のもとに、ころがりこんで子供の世話までみてくれと言い出したが、その実は改心はしたものの照れかくしだった。やがて哲也と友江は福本博士の努力で、いよいよ性道徳を説く幻灯会を開くことが出来た。喜々としてそれを手伝う三枝子のもとに、子供までつくらせた与太者の河合がまぎれこんできた。三枝子をかばう哲也は河合のために刺され病院に運ばれた。出血のひどい哲也のために、輸血をしなければならなくなったが千津子の血液は純潔でないという理由で拒絶され、友江の血が輸血されたのだった。哲也の体内には友江の血がめぐっているのだ。純潔な二人の心は結ばれたのである。千津子は哲也をあきらめて、歌手としての生き方を見出した。哲也と友江は、不幸な三枝子の面倒をみながら地味な幸福の中へと入っていったのである。

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