ニコヨン物語(1956年)

ニコヨン物語
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スタッフ・キャスト

製作 : 茂木了次
監督 : 井上梅次
助監督 : 舛田利雄
脚本 : 川内康範 井上梅次
原作 : 須田寅夫
撮影 : 岩佐一泉
音楽 : 大森盛太郎
美術 : 中村公彦
録音 : 神谷正和
照明 : 藤林甲
編集 : 鈴木晄
製作主任 : 栗橋正敏
スチール : 斎藤耕一
 
配役    
天下の為さん : 三国連太郎
田崎 : 西村晃
耕介君 : 大坂志郎
とよ子 : 小田切みき
与五さん : 殿山泰司
お虎さん : 丹下キヨ子
六さん : 織田政雄
おあきさん : 山岡久乃
長女よし子 : 江田久視子
次女たか子 : 芳川みとし
長男俊明 : 香川良久
厳さん : 柳谷寛
お栄ちゃん : 利根はる恵
源さん : 小林重四郎
貞子 : 田中筆子
君子 : 中原早苗
おかねさん : 坪内美詠子
中風の亭主 : 久松晃
伜浩一 : 矢野間啓治
将軍 : 林幹
おげん婆さん : 小峰千代子
三太郎 : 三浜元
寿し金 : 沢村国太郎
希望館の主中村 : 永井柳太郎
高井 : 小泉郁之助
監督官 : 山之辺閃
神官 : 加原武門
画家 : 上原一二
珍念 : 冬木京三
息子洋太郎 : 武藤章生
署長 : 山田禅二
薬屋の主 : 井東柳晴
とん平の主 : 衣笠一夫
三宅 : 三島謙
スリ : 光沢でんすけ
その仲間 : 峰三平
警官 : 小柴隆
刑事 : 雪岡純
吉岡課長 : 河上信夫
部長 : 伊丹慶治

製作

日活

作品紹介

東の空が白む頃、山谷ではアチコチの簡易旅館の窓が開きニコヨン連中はまず空を見る。今日は天気。“希望館”から飛び出したのは天下の為さん、元将軍、その他ニコヨン大隊。目標は職安である。その晩、館の二階で一同がくつろぐ中に、労働組合の執行委員田崎と同志とよ子は就労対策のビラ造りに懸命。為さんは新米の元教員耕介に日給の使い方を伝授。ふと向いの“昭和館”、源さん夫婦の部屋を覗いてどきり。パン屋に住込奉公している源さんの娘君子の姿。耕介も彼女に眼をつける。昭和館の住人、競馬狂の与五さんは、女房お虎の頑固親父寿し金の来訪に仰天、逃げ出す。寿し金は娘のニコヨン暮しが恥しく別れ話を持ち出すが、お虎にしてみれば駈落ちした程好きな男。それに下町娘の意地もある。深夜、けたたましい悲鳴。厳さんの女房お栄が家出したのだ。泣き叫ぶ厳さんを皆はなだめ落着かせたが、翌日は雨。アブレだ。独り者となって夫婦者専用の昭和館から希望館に移った厳さん始め皆の顔は暗い。そこに駈け込む与五さん、折角当てた大穴の配当をやくざに奪われたという。だが所詮はアトの祭。愛想をつかしたお虎は家出し、寿し金の店に帰ってしまう。ある晩、六さんとおあきの結婚式、新居の披露宴で皆の祝福を受けてめでたしとなる。だが翌朝どんぐり長屋のおかねさんが一家心中。死ぬだけの薬が買えず命はとりとめたが笑えない喜劇。それでも皆はホッとする。ある日、源さんの許にクリーニング屋の主人高井が来て息子に君子をくれという。源さんは為さんと君子の婚約の手前困るが、為さんは自分の気持を押し隠して賛成。連日の雨天にニコヨンは団結、特別手当支給を職安に交渉。警官隊と乱闘で田崎は検束。だがハハキトクの電報に署長の許可で彼は郷里に戻る。労働者大会の日、働きながら青空を仰ぐ為さん達の表情は明るい。

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